「産後のダイエットはいつから始めていいの?」 「出産後1ヶ月だけど早すぎないかな?」 「授乳中のダイエットって本当に大丈夫?」 「何から食事を変えればいいかわからない…」
産後のダイエットについて、こんな疑問や不安を抱えていませんか?
現在はダイエット情報が溢れすぎていて、断片的な知識ばかりが目に入り、一本の線としてつながらない状態になっています。その結果、せっかく頑張っても結果が出なかったり、リバウンドしてしまったりする方が非常に多いです。
実は、産後のダイエットは出産後1ヶ月が経過すればいつでも始められます。ただし、カラダの状態によって適切なタイミングや方法は変わってきます。
私は産後骨盤矯正をメインとした治療院とパーソナルジムを経営し、10年で1,000名以上の産後ママのカラダの変化を見てきました。出産後すぐの方や授乳中の方も含め、個人の特性に合わせたプランで進めることで、安定した効果を出せています。
この記事では、産後のカラダのメカニズムを踏まえた上で、いつからダイエットを始めるべきか、そして失敗しないための注意点を体系的に解説します。たまたま上手くいった個人の成功体験ではなく、誰でも使える確かな知識をお伝えします。
産後ママが健康的に妊娠前の体型を取り戻すための方法を知りたい方は、ぜひ最後までご覧ください!
産後ダイエットで失敗しないための4つの注意点
出産後のダイエットを成功させるには押さえておくべきポイントがあります。間違ったダイエットで失敗しないうように以下の項目をチェックしていきましょう。
1. 体重を落とすペースを急がない
出産後のカラダは思った以上にダメージを受けています。妊娠後期はお腹が大きくなって活動量が減り、筋肉が落ちやすい状態です。さらに出産直後の入院期間中はほとんど動かないため、筋肉がさらに減少します。
また、出産後はホルモンバランスも大きく変化しています。こうした状態で急激なダイエットを行うと、負担が大きすぎて継続できなくなります。
産後のダイエットは半年〜1年かけてじっくり体型を戻していくイメージで取り組むことが大切です。急いで体重だけを落としても、筋肉が戻っていないと体型が崩れたままになってしまいます。


2. 適切な体重減少ペースを守る
ダイエット相談を受けていると、1週間で1〜2キロ落としたいという方が多いのですが、このペースは速すぎます。SNSで見る「たった1ヶ月で−5キロ」のような情報に感覚が麻痺してしまっているのかもしれません。
脂肪1キロを減らすには約7,200カロリーのマイナスが必要です。一般的な女性の基礎代謝は1日1,100〜1,200カロリー程度。育児や家事を含めても1日1,500カロリー程度の消費になります。授乳中は500カロリーほど多く消費しますが、それでも適切なダイエットなら1日200〜300カロリーのマイナスが目安です。
このペースだと1ヶ月で脂肪1キロ程度の減少となります。短期間で急激に落ちた体重は、脂肪だけでなく筋肉や水分の減少である可能性が高いです。
体重を落とすペースの決め方は、現在の体重の5%を上限として考えましょう。
- 体重70キロ→1ヶ月で−3.5キロまで
- 体重60キロ→1ヶ月で−3キロまで
- 体重50キロ→1ヶ月で−2.5キロまで
これはあくまで上限であり、もっとゆっくりでも問題ありません。ダイエットは継続できなければ意味がないので、無理をしないことが最優先です。
3. 食事量を安定させることから始める
食事改善の第一歩は、食事量の安定化です。出産後は子ども中心の生活になり、生活リズムが崩れがちです。食生活も不規則になりやすく、その状態でいきなり食事量を減らそうとすると逆効果になります。
ダイエットが上手くいかない方の特徴として、食べすぎた翌日は極端に食事量を減らし、その反動で再び食べすぎてしまうというバラつきがあります。まずは食事内容よりも、食事量を一定に保つことが大切です。
それに慣れてきたら、タンパク質を意識して摂取したり、余分な糖質を減らしたりする対策に移行しましょう。ただし、糖質制限を意識しすぎることにも注意が必要です。糖質が少ないと空腹感が強くなってストレスが大きくなりますし、授乳中は栄養不足につながります。
糖質に気をつけるなら、パンやお菓子・ジュースなどの比率を減らし、白米を中心にするなどしてバランスを取りましょう。
4. 体力に合わせたエクササイズを選ぶ
エクササイズを始める際は、どこを優先して鍛えるか、どの程度の強度にするかを慎重に判断する必要があります。早く痩せたいからとハードなトレーニングをして挫折するケースが多いので注意しましょう。
出産後のエクササイズは、現状の体力・筋力を基準にしたメニューを組みましょう。もともと運動習慣がない場合は、リハビリくらいの強度からスタートするのがおすすめです。最初はトレーニングというよりストレッチから始めるのも良いでしょう。
鍛えるべき部位としては、以下の3つがおすすめです
- お腹
- お尻
- 脚
理想は全身を鍛えることですが、体力が落ちている出産後はなかなか難しいでしょう。また、お子さんが小さければ、まとまった時間の確保も難しいはずです。
1日30分運動するという考えより、隙間時間の数分を上手く使うという発想で取り組むと継続しやすくなります。完璧を求めすぎないことがポイントです。
産後ダイエットで特に気をつけるべきこと
産後○ヶ月からエクササイズを始めるべきかという一般的な情報は、あくまで参考程度に考えましょう。同じ産後半年でも、以下の要素で個人差があります。
- 運動習慣がある人・ない人
- 分娩の負担が大きかった人・少なかった人
- 出生児体重が重かった人・軽かった人
基本的には、分娩時間が10時間以上と長い場合や、出生児体重が3,500g以上と母体への負担が大きい場合は、体のあちこちに負担がかかっている可能性が高いので、より軽めのメニュー構成で進めることをおすすめします。
帝王切開の場合は、傷口が痛むようであれば回復するまで控える必要がありますが、基本的には現在の体力レベルを基準に考えましょう。
まとめ
産後のダイエットをいつから始めるべきか、そして成功させるための注意点についてお伝えしてきました。ポイントをまとめると以下の4つになります。
- ダイエット開始時期は出産後1ヶ月経過したらいつでもOK ただし、すでに体重が落ちている状態であれば無理してペースを上げる必要はありません
- 体重を落とすペースは体重の5%を上限とし、長期的な視点で進める 短期間での急激な減量は避け、半年〜1年かけてじっくり取り組みましょう
- 食事改善はまず食事量を安定させることから始める 食事内容よりも、まずは食事量を一定に保つことを意識しましょう
- エクササイズは体力に合わせた強度から始める 体力がかなり落ちているなら、まずはストレッチやリハビリくらいの強度から始めましょう
産後のダイエットが上手くいかない原因は情報不足ではなく、断片的な知識をつなげられていないことにあります。一本の軸としてつながる情報と、継続できる環境づくりが成功への鍵です。
今回お伝えした内容を参考に、ご自身の体調や生活状況に合わせたダイエットプランを立ててみてください。焦らず、無理せず、長期的な視点で取り組むことで、必ず理想の体型に近づくことができます。