腹直筋離開でも骨盤は戻る？

産後「お腹にチカラが入らない」「いつまでもお腹がぽっこりしている」というお悩みはありませんか？

その症状は「腹直筋離開」が原因かもしれません。

最近は腹直筋離開という言葉も知られるようになってきており、当院の患者様からも「腹直筋離開かもしれませんが、骨盤は戻りますか？」といった相談を受けることも増えてきました。

結論から言うと、腹直筋離開があっても骨盤は戻ります。

しかし腹直筋の離開の程度は人それぞれであるため、まずは自分がどのくらい離開があるのかを知り、適切な骨盤ケアを行っていくことが必要です。

そこで今回は、腹直筋離開について解説していきます。

腹直筋離開とは？

妊娠～出産にかけてお腹が大きくなることでシックスパックといわれている「腹直筋」が左右に分かれてしまうことをいいます。

妊娠をすることで赤ちゃんの大きさに併せて子宮はどんどん大きくなります。子宮が大きくなることで腹直筋という筋肉もどんどん引き伸ばされていき左右に離れてしまいます。

腹直筋離開は、8～9割の妊婦さんに起こるといわれています。

引き伸ばされた腹直筋は、産後2〜3ヶ月かけて元に戻っていくといわれていますが、産後6ヶ月を経過してもおよそ4割の人に腹直筋離開がみられていることがわかっています。

先述の通り、多くの方に起こる腹直筋離開ですが、特に下記の方は特に起こりやすいといわれています。

一見あまり関係がないように思われますが、腹直筋離開があることで、様々なカラダの症状が出る場合もあります。

肩こりや腰痛

腹筋がうまく使えなくなることで、腰が反りやすい姿勢になります。腰が反ることで背中の筋肉もコリやすくなってしまうため、肩こりや腰痛の症状が起こりやすくなります。

尿漏れ

骨盤底筋という尿道をギュッと締めて尿漏れを防ぐ筋肉があります。その筋肉は、ちょうど離開している部分までつながっています。

そのため、離開がある場合は骨盤底筋も働きにくくなり尿漏れの症状が起こる場合もあります。

当院に来られる患者様の中には、腹筋ができなくなったことやポッコリお腹がなかなか改善しない不安から、無理に腹筋運動をやっていたという方もいました。

確かに、妊娠前はできていた腹筋運動が産後突然できなくなっていると焦る気持ちもあると思います。

しかし、ダメージを受けている腹筋を無理に使うことで回復が遅くなるだけでなく、カラダの他の部分にも痛みなどの影響が出てきてしまいます。

実際にそういった方々を施術していると、腰や背中までガチガチに硬くなっていることが多いです。

腹筋がうまく使えないことで骨盤や体幹も不安定になり、腰や背中の筋肉に過剰に負担がかかってしまうこともひとつの原因です。

実際に、その患者様も骨盤矯正を行い、適切なエクササイズを行っていくことで腹筋を使える感覚を取り戻しただけでなく、腰や背中の痛みが軽減したことを実感されていました。

自分は腹直筋離開なのか？というところは1番気になるところだと思います。まずはご自身でチェックしてみましょう。

当てた指が2本ほど入ってしまう場合は、腹直筋が離開している可能性が高いです。

産後特有のゆがみである「開き」が起こることで、骨盤は不安定になりやすくなります。

その不安定な骨盤を支えるための腹筋も大きくダメージを受けてしまうため、より骨盤は不安定になり様々な症状を引き起こします。

そのため、まずは骨盤矯正で骨盤を正しい位置に戻すことが大切になります。

頭を持ち上げる腹筋などでいきなり負荷をかけるのは腹直筋の回復が遅くなるので避けた方が良いでしょう。

まずはコルセットのように骨盤と体幹を安定させる腹筋の土台である「腹横筋」や「骨盤底筋」などのインナーマッスルから鍛えていくことが大切になります。

【腹式呼吸運動】

※可能であれば、息を吐く時におしりをキュッと締めてみましょう。

ここまでの通り、腹直筋離開があっても骨盤を元の位置に戻すことは可能です。

当院でも骨盤矯正とエクササイズを実施することで、「ズボンを履いた時のお腹が少しスッキリした」と実感される方も多いです。

出産後に腹筋に力が入らなくなったり、おなかが出てしまっている方は腹直筋離開の可能性があります。もし、「腹直筋離開かもしれない‥」と感じる方はぜひ一度ご相談ください！